松林

ロブスターとの格闘ーデトロイトのホテルで

顧問の松林です。

僕は自動車会社にいた時 GMの商品企画担当重役と組んで 世界中で車のクリニックを
やっていたことがあります。

自動車は開発コストや設備投資等の先行投資がが非常に高いので 売れない車を作ってしまっては

大損害になります。

その為開発予定の車や開発中の車が顧客のニーズにあっているかどうかを色々な方法で

予想、検証するのです。

 

車の商品企画

 

先ず車を開発する場合、どのような車をどのようなユーザーにどこ向けに幾らくらいの価格で
投入するかを検討します。

そのため色々な情報を検討しますが 一つのツールはポートフォリオ分析です。

競合他社がどのエリアにどのような車を投入しているか、これからどのように展開しそうか?

市場規模はどれくらいか、車の使われ方予測とデモグラフィック予測等の

予測や技術トレンドを元にポートフォリの分析をベースに車のコンセプトを決めて行きます。

 

その時SWAT分析等も有効です。強み (Strengths)、弱み (Weaknesses)、
機会 (Opportunities)、脅威 (Threats) の4つのカテゴリーで
外部環境、内部環境等を分析します。

自社のブランド力、技術面、販売面での強み弱みを考慮して車の価格を決め販売ボリュームの予測をします。

次にその為の開発費と生産準備費、目標コストをベースにビジネスプランを作成します。

開発や設備投資にかける金額を車を売ることによる利益で回収できるか? どれくらいの期間で

回収できるか? 車の商品力はどうか? 販売台数予測は的確か? 台当りの目標コストは

達成可能か? 他社の状況はどうか? 等々色々な面での評価を行います。

車の会社にとって 1モデルを投入するのには金額だけでも 数百億 モデルのよっては

一千億以上の先行投資が必要になるため ここを外すと会社に大ダメージを与える事になります。

それらの全てを網羅するのが商品企画です。

まさに会社の浮沈のキーを握るわけですから非常に真剣に企画しました。

 

クリニックの概要

 

ビジネスプランブックの中の肝となる商品力を予測し作り込んでいくのがクリニックです。

実際に競合他車を多数持ち込んだりクレーモデル(粘土で作った車の1/1のスタイルモデル)を

持ち込むので規模はかなり大掛かりなものになります。

その為会場はかなり大きな展示場のような所を借り切って行う事になります。

新しい車のクレーモデルもあるので秘密厳守は非常に大切でその為の警備体制も

かなり大掛かりなものになります。

そこにリスポンデンツと称するターゲットユーザーになりそうな人をリクルートし

会場に来てもらいます。

 

車のスタイリングを見てもらったりコンセプトの説明を聞いてもらった後で フォーカスグループ

ディスカッションと称し10名程度で一つの部屋に入り自由に意見を述べてもらいます。

イニシエーターが皆から上手く意見を集めるように話を誘導します。

僕たちは隣の部屋でモニターを見ながらもう少しこう言う話を聞けとか今の人の

意見をもう少し詳しく聞けとか指示を出します。

 

ボストンのロブスター

 

ある時アメリカの東海岸のボストンでクリニックをしました。

僕の相棒のGMの商品企画担当重役はかなりの美食家で どこに行ってもその街で本当に

美味しいレストランを探し当てます。

クリニックの最終日に海岸沿いの古い雰囲気の良い格式の高そうなレストランでロブスターを

食べました。

ボストンは本当にシーフードが美味しく そのレストランのロブスターは絶品でした。

食事の後で気がついたのですが そのレストランで生きたロブスターを売っていました。

僕は次の日はデトロイトでGMとの会議のためにデトロイトに泊まる予定でした。

一緒にいたGMの重役が「明日からの会議が上手くいくように」と僕に

そのロブスターをプレゼントしてくれました。

デトロイトでは定宿のキッチン付きのホテルに泊まる予定だったので ロブスターをホテルで

茹でて食べようと思い ありがたく受け取りました。

立派な木箱に入れておがくずを詰めてその中に生きたロブスターを入れてくれました。

 

デトロイトのホテルで

 

デトロイトのホテルについてそのロブスターを箱に入れたまま冷蔵庫に入れました。
所がそのまま忘れてしまったのです。

一週間ほどして帰国の日が近づいて ロブスターの事を思い出しました。ゆでて食べようと思い、
冷蔵庫から出してみると ロブスターは全く動かず死んでしまっていました。

死んでしまっていても冷蔵庫に入れてあったので鮮度に問題はないと思い そのロブスターを机の上に

置き鍋で湯を沸かしたのです。

 

所が湯が沸いてロブスターを見てビックリ。ロブスターが机の上を動いているのです。

どうも冷蔵庫の中にいたので仮死状態になっていたのが部屋が暖かいので動き出したようなのです。

僕は動いている大きなロブスターを湯の中に入れるのは抵抗があったのですが、そんなことは
言ってられないので湯の中に入れました。

ロブスターは何かと鍋から出ようと大きなはさみを鍋のふちにかけて体を持ち上げようともがいています。

そんな事になっては大変なので僕は大きなフォークでロブスターの背中を押して湯の中に戻そうとしました。

ロブスターはキューキューとないて背中を震わせていましたが、今更やめるわけにも行かないので、

しばらく背中を押していました。

ロブスターの背中の震えがフォークを通じて僕の手に伝わってきます。

しばらくしたらようやく静かになりました。

本当に可愛そうでした。

大変な思いをしましたが、そのロブスターは活きがよくて本当に美味しかったです。

松林努

松林努

投稿者の記事一覧

モズエンタープライズの顧問の松林です。
これまでは、いすゞ自動車で長く勤め、最後は商品企画、開発、品質保証等を行っていました。常務取締役でした。
そのあと上海GMの社長、日産自動車顧問、と自動車業界で長くやってきました。

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