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労働生産性向上の為に

労働生産性とは?

労働生産性=国全体のGDP/就業者人口

労働生産性の定義は色々ありますが上の式が代表的なものです。

日本の労働生産性は世界で21位、先進国中最低です。

出典:日経ビジネス

日本の労働生産性は何故低いのか?

何故こんなことになってしまったのでしょうか?

下記の小国は労働生産性が高い特殊事情があるのであまり参考にはなりません。

アイルランド Googleの分社があり大きな利益を国に治めている。

ルクセンブルグ、ベルギー EUの中心 金融業が非常に発達

スイス  金融と観光に特化

ノルウェー スーパーフレックスの労働環境、産油国

上記の特殊事情がある小国に比較し

米国、ドイツ、フランス等は実質的に日本よりもはるかに労働生産性が高いと考えられます。

何故そうなのか?中身を良く調べる必要があります。

僕は今まで世界のあちこちで住んできました。又あちこちを訪問しました。

神戸で生まれて今みなとみらいに住んでいます。 港のある町が好きなのです。

その間 ビースバーデン、ロンドン、ロスアンゼルス、デトロイト、上海と色々な

場所に住みました。

渡米も数えると500回以上になります。色々ビジネスの為に渡米の必要があり

その他に GMと月一回の会議を40年以上続けたからです。

では先ずドイツとの比較をやってみましょう。

僕はドイツ人が結構好きです。

下記は僕の感じ方ですが個人的なものなのでそのまま信用しないで下さい。

ドイツ人生卵説ー生卵なのでちょっと叩くと表面は固いが一寸でも穴が開くと中心まで

一気に入り込める。心が許せる。

フランス人硬ゆで卵説ーちょっと叩くと表面は弾力があって柔らかいが入り込もうとすると

中心に行くにつれどんどん硬くなっていく。ドイツ人の反対

その為ドイツ人の親友は何人もいます。

日本とドイツはどちらもモノづくり大国として知られています。

では何故ドイツに負けているのでしょうか?

先ず一番の違いは有給休暇の消化率の違いでしょう。

ドイツでは有給休暇の取得は絶対で下記の2つのケースは日本では考えられないでしょう。当然ドイツでは日本ではままある
サービス残業等は考えられないですね。

ケース1:ドイツに駐在していた頃の話

スキーで足の骨を骨折したエンジニアが数か月の入院生活の後会社に出てきました。

彼は「随分入院してしまったのでこのままでは有給休暇を消化できない。明日から

休暇に入るのでよろしく」と言うのです。

僕はビックリして「今まで休暇じゃなかったの?」と聞いてしまいました。

彼はビックリして「今までは病欠だから休暇の消化が出来ないんだよ」と答えました。

ケース2:ドイツ人との会議の話

ある時僕はドイツの自動車会社のエンジニアリング担当の副社長と会議をする

事になりました。非常に大事な会議で相手の副社長も「準備をして待っている」との

事でした。所がフランクフルト空港に着くと彼が出迎えてくれて「今は期末でこのまま会議に出席

すると有給休暇が消化できない事が分かった。それで僕は会議に参加できなけれども

部下によく言ってあるのでよろしく」と言うんだ。

僕はビックリして理由を聞くと彼が説明してくれました。「会議に出席すると有給休暇が

消化できない事が分かったので社長に相談に行った。社長は例外は許されない。と

言うので休暇をとっている事にして会議に出席したいとたのんだんだそうです。

すると社長は非常に怒ってお前のような{副社長のような高い地位にいる}ものがそう言う事をすると

部下もそう言う事をやりかねない。絶対にダメだ。と言われたのでこのまま家に

帰るけれど部下には良く話してあるのでよろしく。と言って家に帰って行きました。

有給休暇の取得率アップとか言うにはこれ位厳しくしないとダメと言う事ですね。

基本的に残業はありません

*残業0にするためには消費者の理解も必要必要です。

:顧客に担当が付かない 日本ではお客様一人に対して担当者が付く事が良くあります。
そうするとお客様に急な対応が必要になった時 その担当者が対応する事になります。
有給休暇が残っていない位では言い訳にならず場合によっては夜間や休日にも対応が必要になります。
従ってドイツでは顧客に担当者が付きません。部署全体で対応します。
それを行うには後で述べますがRoles & Responsibilityが明確になっている必要があります。

ドイツでは休日,夜間もレストラン以外の店は従業員の働く時間を増やさない為基本的に閉店です。

「上の写真では美しく飾られた商店街を人々が歩いていますが店は開いていません。
ウィンドーが美しく飾られて人々はそれを見ながらウィンドウショッピングを楽しんでいます。」

その為顧客はウィンドウショッピングをして回ってほしいものの目星をつけ昼間店の開いている時に
買う事になります。考え方によっては不便ですがドイツでは商店街のショーウィンドーが非常に美しく
飾り立てられていてウィンドウショッピングも結構楽しいものです。

ある時僕はどうしても至急入用なものがありコンビニに行こうとしましたがコンビニも5時で閉店です。
僕は困ってしまい友人に相談したところ「フランクフルト国際空港は別の時間割で動いているので空港の
コンビニなら開いているかも」との事でした。僕はチョットしたものを買うために空港まで
行った事があります。

スイスのジュネーブ空港での例:

これはドイツ国内ではありませんがスイスのジュネーブ空港の話です。

僕はターンテーブルで荷物の出てくるのを待っていましたが中々出てきません。仕方がないので
航空会社のカウンターに言った所何かトラブルがあって大量の荷物が出てこなかったみたいで
大勢の人がカウンターに並んでいます。
僕も仕方なく列に並びました。対応は若い女性一人で行っていました。
随分並んでやっと僕の順番が来たと思ったら彼女が「ランチタイムになったので1時間
カウンターを閉めます」と言って席を外れてしまったのです。
僕の後ろにも大勢の人が並んでいましたが何となくランチタイムじゃ仕方がないなーと言う
雰囲気なのです。
日本では考えられないですね。

今年僕の見たテレビドラマで結構面白かったのは「私定時で帰ります。」と言うドラマです。


(出展 TBSテレビ)

主人公の吉高由里子は必ず定時で帰ります。定時で買えるのは近所の上海飯店のハッピーアワーに

間に合ってビールを飲むためです。

但し定時で帰る為に仕事に色々工夫をして時間内に仕事を終えるように努力をしています。

所がそれを良く思わない上司や同僚とのギクシャクが絶えずそれがコメディタッチで描かれています。

女性の活躍

「私定時で帰ります」の話では主人公の女性は非常に有能で労働生産性の高い女性です。但し職場では
なかなか受け入れてもらえません。

実際 女性の多くは定型業務に従事させられる場合が多く管理職になる機会も制限されています。

実際世界経済フォーラムによる「男女格差を数値化した指数」では日本は14か国中101位、G7の

中では最下位と惨憺たる状態です。
菅内閣の閣僚の集合写真でも男ばかりで女性は非常に少ないですよね。

 

国会議員の数でも日本は先進諸国に対し非常に少ないです。

非正規雇用の比率を男女で比較した場合、女性の非正規雇用率は依然と して高く、

35 歳以上では、50%超が非正規雇用と言う驚くべき状態です。

女性の労働参加率が向 上しても、非正規雇用が大半を占める状態では、女性は定型業務に

つかされる事が多く労働生産性の向上は難しいと思われます。

大切なのは「女性でも働きやすい作業環境の整備や勤務シフト・勤務時間の設定」、「出産や育児等に
よる休業がハンディとならないような人事 制度の導入」など が必須です。

これは現在のコロナ禍により仕方なくテレワーク(在宅勤務)を導入した企業が多いですが 必ずしも

毎日出社しなくても仕事が出来ることが分かってきました。

女性の出産育児の時に働きやすい環境づくりと言う面ではテレワークは大きな要素の一つになり得る

可能性があります。

生産性の高い企業になる為には従業員一人一人が生産性の高い仕事をする必要がありますが、現在

生産性の低い業務に女性を当てている企業は女性の活躍の場を増やして女性の生産性を上げる事が

必須です。

そうする事により全体の生産性が上がり又優秀な女性の定着率を上げる事が可能になります。その他

商品開発や業務内容についてももっと女性目線も取り入れる事で向上すると思われます。

女性が働きやすい会社は男性にとっても働きやすく元気のある、生産性の高い会社と言えると思います。

日本の会社ではどうしても残業はしないと言う意識が低いと思われる

得てして「仕事が定時に終わらなければ残業すれば良いや」と言うような雰囲気があり
定時内に仕事を終えようと言う意気込みも工夫も少ない感じがあります。
又上司より先に帰るのは気が引けるとか残業をいっぱいする人が頑張っている人だと言うような
見方もあります。

安倍内閣が叫んでいた「働き方改革」はどうなったんでしょうね? プレミアムフライデーなんて
何処の国の話だ?と言うような感じですね。

 

イタリア、スペインは日本より上?

イタリア人やスペイン人はあまり一生懸命働かないで人生を楽しんでいると言うイメージがありますね。
所がイタリア 11位、スペイン 16位 日本でより労働生産性が高いのです。

但し失業率は イタリア 10%  スペイン 25%と失業率が非常に高いのです。
それではイタリアやスペインの失業率を下げれば更に国のGDPは上がるのでか??
答えは「NO」だと思います。
失業率と言うのは仕事をしたいのに仕事がない人の割合です。

イタリアでは実際は全人口の半分以下しかいわゆる仕事をしていないのです。
イタリアでは大家族主義が残っておりファミリーで家庭内での仕事を分担して助け合って
いるのです。余裕のある生活ぶりですね。

日本では核家族化が進む中で働ける人は働かざるを得ないのと大きな違いです。

 

アメリカの生産性は何故高いのでしょうか?

GAFAに代表されるIT企業の発達が一つの要因だと思います。
残念ながら日本は政府に先見の明もリーダーシップも無かったため完全に日本は乗り遅れています。
今からデジタル庁を作ろうと言っていますがもう周回遅れです。

GAFA 4社の時価総額は日本の国家予算(約100兆円)の 3.3倍あります。

ただそれだけがアメリカの生産性が高い理由ではありません。

僕はGMと月に一回定例ミーティングがあり最低月に一回は渡米していました。
その中で強く感じたのはRoles & Responsibility(役割と責任)が非常に明確に決まられている事です。

Roles & Responsibility(役割と責任)の明確化が労働生産性を上げるには必須

日本はその辺を曖昧にして置いて何か仕事に漏れが生じたり問題が起こったりすると
「三遊間のゴロを皆でカバーしよう」と言う感じになります。

もしアメリカやドイツでそのような問題が生じた場合は Roles & Responsibilityの見直しが
なされてそう言う問題が次に起こらないようにすると思います。

又 Roles & Responsibilityが明確だと決められた範囲内で仕事が出来るため各人の意思決定が日本より格段に早い
と言う事になります。
又自分の役割と責任の範囲内では新しい事にも挑戦できます

日本で明確なのはジョブデスクリプションでは無くジョブプロセスです

誰の承認をもらうか?誰の印鑑が必要か?が決められているのです。
だから会議に出てもその場で自分の意見が述べられず意思決定も出来ずに上司に相談してと
言う
事になりがちです。
これでは労働生産性が上がる筈がありません。

余談ですが Roles & Responsibilityについて僕がドイツに駐在していた頃面白い話がありました。
皆で仕事の合間のリフレッシュに集まれるサロンのような場所が職場内にありました。
所がその中央のテーブルの上に飲みかけのコーヒーが入った紙コップがありました。
所が次の日もその次の日もその紙コップはテーブルの上に置きっぱなしなのです。
僕はたまりかねてその紙コップを捨てようとしました。そうしたら皆にとめられたのです。
皆が言うには「コーヒーは飲んだ人が片づける事になっている。所が飲んだ人がそれを守らなかった。
その場合は3日に一回やって来る掃除婦がかたずける事になっている。もしお前がかたずけたらその掃除婦の
仕事を奪ったことになる。」と言うのです。いくら僕でもこれはやりすぎだと思いました。
サロンに集まる皆が3日間気持ちが悪いのを我慢しなければならないのですから。
ただRoles & Responsibilityを徹底するにはこれくらい徹底しなければならないのか。と言う気もします。

 

ここまでで日本の生産性を上げる為に何をすべきかが見えて来ましたよね。

追記すると日本でも大企業の生産性は比較的高いのです。
但し中小企業特に飲食業が非常に低いですえ。

おもてなしの心、客を快適に過ごさせるために色々な付加サービスを行うのは従業員の負荷が増えるだけで
生産性向上につながっていません。まずお客様は神様ですと言うような意識を変える必要があります。

次はIT技術による付加価値の創造が必要です。
菅内閣になってデジタル庁を作ると言う事になったようですが本気でやって欲しいですね。

政府のITへの適切な投資等が必須です。
そのような正しい政府を選ぶ責任は我々にあります。
今回の菅内閣誕生には国民は何も関われなかったですが。

Roles & Responsibilityあるいはジョブデスクリプションの明確化による仕事の効率アップが必要です。

Roles & Responsibilityを明確にして新しいものに挑戦する環境を作る必要があります。

色々書きましたが日本はGDPでは世界第3位です

日本の生産性は落ち込んでいるのでは無く他の国の進歩について居ていないのが現状です。

但し格差社会が広がり 日本の生産性の中央値は平均値よりかなり低いと思われるます。

1960-1970 高度経済成長期には皆が豊かを実感できました。
一億総中流時代と言われました。
今は相対的貧困率が増えています。 これは世帯所得の中央値に対して収入がその半分を下回る人々です。。

絶対貧困率とは食事が出来るかどうかと言うような途上国の話ですから別ものです。
例えば」日本の子ども(17歳以下)の貧困率は13.9%(2015年)です。つまり、7人に1人の子どもが貧困状態に陥っています。
先進国の中でも34カ国中相対的貧困率が高い方から数えると9番目と言う事で高い状態です。
「OECD経済審査報告書」(2017年)によると、日米欧主要先進7カ国のうち、日本は米国に次いで2番目の相対貧困率の高さでした。
アメリカはBlack Lives Matterと言うように格差が大きい事が良く知られていますが日本もかなり格差は
大きいのです。

 

東京と地方の格差拡大

一位の東京は最下位 沖縄の2.3倍の労働生産性です。

人口の流動性が高まり東京への一極集中が起こりつつあると思われる。ヒト・モノ・カネ、権限・情報・文化等が
東京に集中してきています。
東京一極志向でない地方独自の政策を考える必要があります。

 

まとめ

1.Roles & Responsibility(役割と責任)或いはジョブデスクリプションを明確にして意思決定を
迅速にし新しい事に挑戦できる社会にする。

2.IT等の成長戦略を立てて実行する正しい政府を持つ(デジタル庁をが機能するか?)

3.同一労働、同一賃金による労働者間の格差是正を行う。

4.東京の一極集中を地方分散型の社会にする。⇒これはコロナの影響の数少ない良い一面になる可能性があります。

必ずしも毎日会社で顔を合わせなくても仕事を進める事が出来ることが分かってきました。
これが定着すると会社員は会社の通勤圏内に住む必要がなくなります。

又会社自体も登用にある必要性は少なくなってきます。
本当の意味での地方活性化です。

以上思いつくままに色々書きましたが前述のように日本のGDPはまだ世界第三位です。

まだまだこれから頑張れば追いつく先進国の中核を担っていく可能性があります。
但し今のような状態を続けて行けば日本の世界における地位はどんどん下がって行くでしょう。

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